金属膜の抵抗温度係数は膜厚によって変化し、薄膜では負、厚膜では正となります。より厚い膜はバルク材料と類似していますが、同一ではありません。一般的に、膜厚が数十ナノメートルまで増加すると、抵抗温度係数は負から正へと変化します。
さらに、蒸着速度も金属薄膜の抵抗温度係数に影響を与えます。蒸着速度が低いと薄膜層が緩み、電子が電位障壁を越えて伝導性を発揮する能力が弱くなり、酸化や吸着も加わるため、抵抗値は高くなりますが、抵抗温度係数は小さく、場合によっては負の値になります。蒸着速度が上昇すると、抵抗温度係数は小さい値から大きい値に、負の値から正の値に変化します。これは、蒸着速度が低い薄膜では、薄膜の酸化によって半導体特性が失われ、抵抗温度係数が負の値になるからです。蒸着速度が高い薄膜は金属特性を持ち、抵抗温度係数が正の値になる傾向があります。
膜の構造は温度によって不可逆的に変化するため、膜の抵抗値および抵抗温度係数も蒸着時のコーティング層の温度によって変化し、膜厚が薄いほど変化が顕著になります。これは、近似島状または管状構造の膜粒子が基板上で再蒸着・再分布することによる化学変化、格子散乱、不純物散乱、格子欠陥散乱、酸化などによるものと考えられます。
–この記事は真空コーティング機製造r 広東振華
投稿日時: 2024年1月18日

