イオンビームアシスト蒸着には主に2つのモードがあり、一つはダイナミックハイブリッド、もう一つはスタティックハイブリッドです。前者は、薄膜成長プロセスにおいて常に一定のエネルギーとビーム電流によるイオン衝撃と薄膜形成を伴う手法です。後者は、基板表面に数ナノメートル未満の厚さの薄膜層を予め堆積させた後、ダイナミックイオン衝撃を加え、これを何度も繰り返すことで薄膜成長を実現します。
イオンビーム支援による薄膜の堆積に選択されるイオンビームエネルギーは、30 eV~100 keVの範囲です。選択されるエネルギー範囲は、薄膜を合成する用途の種類によって異なります。たとえば、腐食防止、耐機械摩耗、装飾コーティングなどの薄膜を作製する場合は、より高い照射エネルギーを選択する必要があります。実験では、20~40keVのイオンビーム照射エネルギーを選択しても、基板材料や薄膜自体が性能や使用に影響を与えないことが示されています。光学デバイスや電子デバイス用の薄膜を作製する場合は、より低エネルギーのイオンビーム支援による堆積を選択する必要があります。これにより、光吸収が低減され、電気的に活性化された欠陥の形成が回避されるだけでなく、薄膜の定常構造の形成も促進されます。研究によると、500 eV未満のイオンエネルギーを選択することで、優れた特性を持つ薄膜が得られることが示されています。
–この記事は真空コーティング機メーカー広東振華
投稿日時: 2024年3月11日

