薄膜の電子特性はバルク材料の電子特性とは大きく異なり、薄膜上に現れる物理的効果の中にはバルク材料上で見つけるのが難しいものもあります。
バルク金属の場合、温度低下によって抵抗は減少します。高温では抵抗は温度とともに1倍しか減少しませんが、低温では5倍も減少します。しかし、薄膜の場合は全く異なります。薄膜の抵抗率はバルク金属よりも高い一方で、温度低下後は薄膜の抵抗率はバルク金属よりも速く減少します。これは、薄膜の場合、表面散乱が抵抗に及ぼす影響が大きいためです。
薄膜の異常導電性のもう一つの兆候は、磁場が薄膜抵抗に及ぼす影響です。外部磁場の作用下にある薄膜の抵抗は、ブロック状物質の抵抗よりも大きくなります。これは、薄膜が螺旋軌道に沿って前進する際に、螺旋線の半径が薄膜の厚さよりも大きい場合、運動過程で電子が表面で散乱し、追加の抵抗が生じるためです。その結果、薄膜の抵抗はブロック状物質の抵抗よりも大きくなります。同時に、薄膜の抵抗は磁場が作用していないときの抵抗よりも大きくなります。この薄膜抵抗の磁場依存性は磁気抵抗効果と呼ばれ、通常、磁場強度の測定に用いられます。例えば、a-Si、CuInSe2、CaSe薄膜太陽電池、Al2O3、CeO、CuS、CoO2、CO3O4、CuO、MgF2、SiO、TiO2、ZnS、ZrOなどが挙げられます。
投稿日時: 2023年8月11日

